1.掃除
中国にはW師走の24日から塵を掃き始めるWという
言葉があります。これは、中国語で、「塵」と「陳」
(古いと言う意味)が同じ発音なので、古いもの家の中
から片づけて、新しい年を迎えようという意味に
なるからです。

2.春聯(めでたい文句を赤紙に書いたもの)
「春聯」は他にも「門対」、「対聯」、「対子」、
「桃符」などの呼び名がありますが、大きな赤紙に、
縁起のいい言葉を書いたものです。これなしでは、
中国の新年はないという程、中国では大事に
されています。各家庭が、好きな言葉を選び、
門に張ることで、正月の雰囲気を味わいます。
この時期になると、至る所で見られます。

3. 逆さまの「福」
お正月になると、いろいろな所で、逆さまの「福」の字
を見かけます。もちろん、それ自体飾り付けの意味も
あるのですが、中国語で「逆さま」は「倒」、
これは「到」(来る)という漢字が同じ発音なので、
「福が来る」という意味になり、非常に縁起の
いい言葉なのです。デザインも凝っていて、
標準的な花柄のものから、龍や鳳凰、
鯉や桃などの柄もあります。

4.年画
年画は、古来の自然崇拝を起源としていて、
春聯と同じように、非常に縁起のいいものとされていて
、お正月になると、至る所に見られます。

5.守歳
中国では、「大晦日」は1年で最も大事な日で、
その日の夜は寝ずに年越しをするという習慣があります。それは、年配の方は、古い年を新しい年に
持ち越すことで、年を取らないという意味、
若い人たちにとっては、両親に長生きしてもらうと
いう意味があります。

6.爆竹
中国では年越し後初めて家の門を開けるときには、
爆竹を鳴らすという習慣があります。爆竹はそれを
鳴らすこと自体がエンターテインメントの意味合いも
ありますが、その音で、悪い物を追い払う「魔よけ」の
意味もあります。また、2日目、5日目の早朝に爆竹を
鳴らすと、財運がめぐってくると信じられています。
(実際、正月にはものすごい音が鳴り響きます。
慣れない人には、爆弾か!と思うほどの音が
鳴り響きます。)

7.新年の挨拶
中国では、1月1日は、早起きして、自分の持っている
一番いい服を着て、新年の挨拶回りに出かける習慣が
あります。礼儀としては、まず年長の方に「長寿安健」
の挨拶をします。もちろん、日本と同じように、
お年玉もありますが、中国では「圧歳銭」と呼ばれ、
中国語で、「歳」が「崇」(悪いという意味)と
同じ発音であることから、「悪を圧する」という
魔よけの意味もあります。

8.正月料理
日本におせちがあるように、中国にも正月料理が
あります。特に、広東は中国の正月料理で
最も有名です。年末になると、みなせわしく正月料理の
ための準備を始めます。

年糯(おもち)
中国では、色々なお持ちが用意されます。特に、黄色、銀色などのおもちは、財運を招くとして喜ばれます。

水餃子
大晦日は、どこにもいかず、一環団らん、机を囲んで
餃子をみんなで作るという習慣があります。
餃子の皮を作ることを「和」といい、中国語の「合」と
同じ発音です。また餃子の餃の発音は「交」と同じで、「合交」(一致団結する)という意味になり、
「家族が一致団結する」という願いが込められています。また、昔の財布の形をした餃子を作ることで、
財運をもたらすとも信じられています。
みんなで餃子を包みながら、お正月の話をし、
家族で過ごすのが中国流の大晦日の過ごし方です。
(とはいうものの、実際上海の若者に聞いてみると、
そんなことしない、と返答されることがほとんどです。上海ではそういう中国の伝統はもう廃れていってるの
かもしれません)

9.蛇踊(じゃおどり)
中国では蛇踊という龍が舞う踊りがあります。
龍は水の神様とされ、五穀豊穣を願う伝統が今でも
受け継がれ、蛇踊が行われます。そういえば、
中国文化の影響を大きく受けた長崎では、
長崎くんちというお祭りで、同じような蛇踊が
毎年行われています。

10.竹馬
正月が近づくと、町の中を竹馬で歩き回るという習慣が
あります。これも、中国では非常に縁起のいいことと
されています。これも、上海などの都市部では既に
廃れてきている習慣ですが、田舎の方に行くと、
まだ十分残っているそうです。