中国に駐在して初めて知ったこと、
日本との違いなどについて、思いつくままにあげて
みました。これから駐在なさる方などは、
参考にして下さい。

食べ物について
食べ物については、上海に来た当初はかなり
苦労しました。まず、レストランに行ったときに、
メニューをみてもさっぱりわからないのです。
「中国語って言っても、漢字だからどんな料理が出てくるかくらい想像できるだろう」と思ったら大間違いでした。
エビ料理を頼んだつもりが、生きのいいエビが
“ぴちぴち”跳ねながら皿に盛られて
出てきた時はさすがにおどろきました。
基本的に、オードブル(冷菜)、メインディッシュ
(主菜)、スープ(湯)、麺類(面)、ご飯類(飯)、
デザート類(甜点)の区分があること、それから、
肉の種類、魚の種類、野菜の種類など、
食べたいものの単語だけ調べて覚えておけば、
なんとなく見分けが付きます。
また、普通のレストランでは“1品”の量が日本に
比べてかなり多く、普通に一人で行っては
食べきれないこともしばしばです。
普通日本でラーメン屋に行ったら、ラーメン、餃子、
チャーハンなど、3品くらい平気ですが、中国では、
どれも単品でお腹一杯になる量が出てくるので、
多くても、2品くらいしか頼めません。
1人前のセットメニューなどは、チェーン店などに
行けばあることもありますが、普通の中華料理屋では
ほとんどありません。
もちろん、中国人は、ひとりでご飯を食べに行くこと
などほとんどないので、そういう風になっているの
ですが、なかなか日本人にはなじめません。
また、メニューの多さにもびっくりします。
街角のさびれたような飯屋に入っても、
なんでこんなにメニューが多いんだと思うくらい
メニューがずらりと並んでいて、選ぶのに一苦労です。
これが、大きなレストランに行ったりすると、もう大変。中国の人でも「多くて選ぶのが大変だ」というのを
聞いたことがあります。
1ヶ月くらい住んでみて、ようやく自分の口に合う
料理を選べるようになりましたが、当初は脂っこさや、
味付けの違いに、中華料理を敬遠したくなることも
しばしばでした。ただ、そんな時には、
日本料理屋(日本式料理屋)はけっこう多いので、
徐々に慣れていってもいいと思います。
また、中国では、ケンタッキーのお粥を始め、中国独自のメニュー(季節限定も多いです)というのもあり、おもしろいです。「吉野屋」にケーキセットがあったのには、さすがにびっくりしましたが、中国では、品数の多さというのもひとつのポイントになっているようです。

・タクシー・バス・地下鉄について
初めて上海に来たときに困ったのが、
空港から市内までの移動。リニアモーターカー80元
(1120円)こそ走っていますが、通常の電車は
走っておらず、ほとんどの場合、タクシーかバスに
乗っていくことになります。僕の場合、
タクシーで行くと、130元(1820円)、
バスで行くと18元(112円)なので、
毎回バスに乗っていますが、混んでいなければ
1時間半くらい、雨が降って渋滞していると
3時間近くかかります。
上海では雨の日は要注意です。まず、タクシーを
捕まえるのが大変です。大体、ラッシュの時間帯は、
普通の日でも30分待ってもタクシーが捕まらないと
いうことがありますが、雨が降るとなぜか上海は
大渋滞し、「タクシーを捕まえるのがほぼ不可能」と
思ったこともあったくらいです。
そういう時は、地下鉄やモノレールがもし目的地近くに
あれば、多少歩くことになっても、それを選ぶことを
お勧めします。地下鉄は、初乗り2元(28円)、
遠くても3元(42円)ですから、値段も安く、
なんと言っても時間が読めるので、重宝します。
もちろん日本とは違って、電車の中での
「マナー」が悪く、電話かけ放題だったり、
スリが多かったりしますが、それでも市内移動の
便利さを考えればやはり乗ってしまいます。

次にタクシーですが、中国でタクシーに乗るときは当然、
紙に目的地を書くのですが、ドライバーによっては、
意図的でなくとも、ものすごく“遠回り”になると
いうことがあります。助手席に写真付きのプレートが
あり、そこに“星印”で等級がついていますので、
“星印”のない人などは初心者ドライバーだと思って
乗った方がよいでしょう。ちなみに、タクシー会社に
よって基準は違うそうですが、大体、星がなければ、
「運転手歴2年以下」、後は、「2年ごと」に
1個増えていくとか、英語が話せたら等級があがる、
という風になっているようです。

ちなみに上海では、「交通カード」なるものが売って
あり、これを購入すると、地下鉄、バス、タクシー
すべてに使えます。いわゆるプリペイドカードですが、
小銭を扱わなくていいのと、領収書をプリペイドで
払った分だけまとめてもらえるので、かなり重宝します。(「可的」というコンビニでも補充できますが、
コンビニでやると領収書がもらえませんでした)
残高がなくなれば、コンビニや駅などで補充できます。
地下鉄では、カードを通すのではなく、
バッグに入れたままで読み取りが可能なので、
めんどうさがありません。ただ、タクシーに乗るときは、
停車してすぐ「カードで払います」と言わなければ、
「カードですか?現金ですか?」と、聞かれないことも
ありますので気を付けましょう。メーターを一度上げて
しまうと、カードは使えません。

・中国語の勉強について
中国に駐在する人なら、せっかくだから中国語を
勉強してみようという人も多いと思います。僕も、
家庭教師をつけて勉強しようと思い、色々と「先生」を
探しました。当然、マクドナルドやユニクロの
アルバイト代が“10元以下”なので、高くても
20元/時間くらいだろうと思っていたのですが、
それが大間違いで、日本語をかなりのレベルで話せる人
(主に大学生)だと、1時間70〜80元
(980円〜1120円)、普通のレベルでも
40〜60元(560円〜840円)くらいはします。
それならと思い、英語をしゃべれる学生を探したところ、かなりしゃべれるレベルで30元(約420円)、
意思疎通には問題がない程度なら20元(280円)
でも十分募集がありました。
なんとなく、日本人価格というのが見え隠れしましたが、やはり、まだまだ日本語を話せるというのは貴重なよう
で、もし英語での意思疎通に問題がないようなら、
英語をしゃべれる学生をさがしてみることを
おすすめします。中国の大学生は、日本の大学生より
英語をしゃべれる人が多いというのが実感です。
大学、専門学校などに連絡をすれば、いろいろと
紹介してもらえます。僕も、手数料200元
(約2800円)を払って、
4人の学生を紹介してもらいました。

・携帯電話
中国の携帯電話事情を知らないまま中国に来て
しまいましたが、最初にショップへ行った時、
携帯電話本体の高さにびっくりしました。
いいもので5〜6万円は当たり前、1〜2万円だと
安物の部類です。また、日本とは、形式が違っていて、まず携帯電話の本体をショップで購入し、
その後で好きな電話会社を選びます。
日本ならば携帯電話の本体と契約する電話会社は
2つで一組になっていますが(例えばドコモの
携帯電話にドコモのサービス)、中国では、
「SIMカード」というカードを携帯電話の本体に
差し込んで使うので、携帯電話本体とサービスは
分離されています。同じ携帯本体で、
違う電話会社間でも乗り換えなども可能です。
電話番号がついてきますが、その時に、
最後が4や9などの番号は、中国でも不吉な数字と
され、かなり安値で販売されています。
僕の場合60元(約840円)で電話番号を買い、
後はプリペイド形式(市内通話料1分:0.4元=約5.6円)
で必要に応じて使っています。コンビニなどに行くと
プリペイドカード(1回100元のものが多い)が
売ってあり、それを購入し、そこに書いてある暗号を
入力すれば、自分のプリペイド携帯の残高に
加算されます。プリペイドカードは有効期限付き
なので注意しましょう。
プリペイド以外のサービスは、通話料など安価なので
いいのですが、身分証明書を持って行ったり、
手数料や振り込み口座手続きしたりと、
めんどうな事が多いので(僕の場合中国語が
できなかったのでしょうがなかったのですが)、
プリペイドカードをお勧めします。

・銀行の口座など
上海では、日本の銀行はほとんど見かけませんが、
銀行によっては、上海のATMでも引落しができる
ようなサービスを提供しています。しかし、
ATMの数は多くないので、中国で銀行口座を作って、
そこに貯金しておく方が便利です。多くは、
24時間ATMが稼働していますし、
外貨での預金もできるので、非常に便利です。
銀行に行って口座を作ってもらったり、
外貨両替をしてもらったりするときは、
警備員に言えば、人が並んでいても優先的に
通してくれる事が多いです。(個人的な経験なので
どこでもそうしてくれるかどうかはわかりませんが)

・ 住宅について
上海でアパートを借りようと思えばピンキリで、
外国人が多く住んでいるような所だと、月に
7000〜8000元(98000円〜112000円)くらいが普通ですが、学生などを見てみると、
上海市中心地から少し離れた場所に、
3000元前後(42000円)で、3LDKまたは
2LDKの部屋を借り、友達同士で共有して
住んでいるのをよく見かけます。
もちろんすべて家具付きです。3000元といえば、
上海の人にとっては大金ですので、かなりいい部屋に
住むことができます。もちろん、
2000元前後でも、ひとりならば十分住める物件が
見つかります。

・食料品など
家の近所にカルフール(フランスの大手スーパー)が
ありますが、ふとんから日用品、食料品まですべて
そろいますので、かなり重宝しています。
近所にそういう大型スーパーなどがなければ、
少し不自由するかもしれません。普通の店だと、
個人でやっているところが多く、外国人というだけで
ふっかけられることもしばしば、毎回値切って
買い物をする労力を考えるとスーパー(超市)で
買った方が断然楽です。

・ 按摩
中国といえば「按摩」、店によっては当たりはずれも
あり、信頼できる店を探すまでにくろうするかも
しれませんが、安くてレベルの高い店もけっこう
あります。店だけでなく、個人によってもかなり差が
ありますので、自分にあう按摩師を探してみては
いかがでしょう。特に、足マッサージは有名で、
一度試してみる価値有りです。価格は、1時間、
全身マッサージで50元前後、足マッサージで
40元前後くらいなら、比較的いい所です。