スタイリスト 8/1
 

今回は、台湾人スタイリストの謝麗君さんとテレビ番組のプロデューサー粛清祥さんにお話を聞きました。 (衡山路と東平路の交差したところにある、おしゃれなBar「SASHA’S」にて)
謝麗君さん
<プロフィール>
謝麗君さんは「Dream Style & Image Design」という会社を経営しておられる、著名な台湾人スタイリストで、1年半前に台北から上海に移住され、ファッション・ライフスタイル関連のテレビ番組(レギュラー番組「大話愛情」、毎週日曜日:夜8時〜9時)や、ファッション雑誌のコラムニスト、スタイリストとして活躍されています。
粛清祥さん
<プロフィール>
上海JMRコミュニケーションという会社で、テレビ番組作成の総監督をやっておられ、去年の10月に台北から上海に移住され、現在は、「大話愛情」などの番組を作成しておられます。


Q. 上海はいかがですか?
A. 最高!(みんなで口を揃えて) 台湾にいた時は、上海がこんなにいい場所だとは知らなかったけど、来て住んでみると、もう台湾に帰りたくないですね。おいしいレストランも、おしゃれなBarも、遊ぶところも何でも揃ってますから。
 
Q. 最近、テレビで、台湾人のみが通う小学校が上海にできたと聞きましたが、謝さんや粛さんのように、台湾からチャンスを求めて上海に来る方というのは増えているんですか?
さん  粛さん: 台湾だけでなく、香港、シンガポールからも、近年多くの人がチャンスを求めて上海にやって来ています。投資家をはじめ、若くて能力ある人が、どんどん集まってきているという印象がありますね。僕たちを始め、多くの人が台湾、香港よりも、「上海」に将来的性を見い出すようになっています。
 
Q. 台湾と中国との違いは普段意識しますか?
さん 考え方や生活上の習慣を始め、様々なことが台湾と上海では根本的に違うような気がします。その違いをうまくは表現できないのですが、台北と上海の両方に来て、その地の人々と接したことがあるならば、その違いを肌で感じることができると思います。
謝さん: 台北に行ったことがないなら、是非行ってみて下さい。小さい都市なので、2日もいればどんな場所なのかわかるし、台湾を初めとして、香港、シンガポールの事までわかると、アジアの中国人の事がもっと理解できるようになりますよ。
 
Q. 中国での目標はありますか?
さん 僕は、北京、上海、広州、天津、青島、重慶の6つの都市で成功できれば、中国で成功したと言えると思っています。今は、番組の制作をやっていますが、今後は上海のみならず、もっと全国的に展開していきたいですね。今、日本の大手金融機関と投資の案件について議論を進めています。これをチャンスに、上海での仕事をもっと大きくしたいですね。
謝さん:私は現状、忙しすぎて、普段あまりリラックスする時間がないので、もっとゆとりを持った生活をしたいですね。台湾では感じなかった、上海での、時間の流れの速さと、発展への貪欲さやエネルギーに、飲み込まれてしまっている部分があると思います。
 
Q. 北京と上海とではどのような違いを感じますか?
さん ひとことで言うならば、北京にはRocking Rollがあるけど、上海にはないという事です。上海は、台湾と比べてもずっと国際的に開かれた街で、海外の文化の浸透も非常に深い変わりに、中国っぽさが全くないという人もいますね。
 
Q. しかし、上海に住んでいても、大半の人たちは、どうみてもインターナショナルとは思えないような生活をしているのですが、そこら辺はどうでしょうか?
さん 上海を語るときに「一般ピープル」にまで視線を落としたら、話が始まりません。実際、私たちがターゲットにしているのも、「一般」の人ではなく、ファッションのわかる人、ある程度、購買力があり、ゆとりある生活ができる人です。
いわゆる、2000元〜3000元という平均的な給与をもらっていても、親と同居する若い上海人などは別ですが、私たちの商売の相手としてはふさわしくありません。月給5000元(約7万円)くらいがぎりぎりのラインだと思います。それ以下は「No Fashion!」 です。
 
みなさん、お酒が好きなようで、インタビューの後、お酒がどんどん進んで、話は中国の芸能界の裏話から、台湾と中国の関係など、色々な所に及びました。以下は余談です。
 
Q. 日本に行ったことはありますか?
さん もちろん!日本は、台湾人やオシャレな上海人にとっては、香港と並ぶ、買い物のメッカなんですよ。観光には行ったことないですけど、買い物には何度も行ったことがあります。ただ、今度行くなら、観光地にも行ってみたいですね。
 
Q. 観光地と言えば、京都などが有名なので、今度来られたらご案内しますよ。
さん 京都?聞いたことないなー。みんな知ってる?周りの人: なんかどこかで聞いたことあるような……

A: なんかどこかで聞いたことあるような……
 
Q. そういえば、最近、「十面埋伏」という金城武の映画が上映されてますが、金城武って母親は台湾人なんですよね?台湾でも人気があるんですか?
さん 金城武は台湾でも大人気ですよ。台湾語もしゃべれますしね。他にも、広東語もしゃべれて、香港でも人気がありますしね。中国では、「標準語」以外に、「広東語」や「台湾語」、「上海語」などの方言をしゃべれると、仕事の上でもすごく得しますよ。そういえば、N君(隣に座っておられたのですが、名前を聞きそびれてしまいました)って金城武の所属する芸能プロダクションで働いてるんじゃなかったっけ?

N: そうですよ。彼は、他にも、アメリカンスクールを出ていて、英語もできるんですよ。
 
Q. 台湾人には英語のうまい人が多いですよね。どうしてなんですか?
さん 台湾では、台湾独自の発音記号を使って、口語の練習を徹底するんですよ。中国の地方の人と同じく、台湾人も学校で「北京語(標準語)」を勉強するのですが、その時も、台湾人は中国人とは違った、独自の発音記号を使ってるんです。そのせいではないですかね。
 
 
 

 東平路の昼の街並み。夜は一番上の写真のように、すべてがライトアップされ、Barに多くの外国人が集まるので、雰囲気はがらりと変わります。